建物にかかる相続税の納税

故人が建物を所有していたら、それも相続財産に含まれます。
これを相続した人には、その建物にかかる相続税がかかるのですが、これをうまく納税するには、どうしたらいいでしょうか?
知っておきたいコツは、なるべく故人の現金や預金類を納税が必要な相続人へ渡すこと。

ある事例ですが、主な遺産は建物が8棟と、現金や預金類でした。
これを故人の配偶者と子供2人で相続することになりましたが、困ったのは相続税のことです。
故人の残した現金や預金だけでは、すべての相続税額をまかないきれなかったのです。

そこで遺産を分割するとき、配偶者が建物をすべて引き受け、子供は現金と預金を等分したものを相続することにしたのです。
これにより、割合としては、配偶者が遺産全体の8割近くを相続した形となりました。
配偶者は相続税の8割を支払える現金は持っていなかったのですが、納税には困りませんでした。
配偶者には相続税がかかりにくい特例があるため、これを利用したのです。

この事例では最大1億6000万円までは、配偶者には相続税がかかりませんでした。
建物をすべて相続した配偶者がこの特例を使うことで、建物にかかる相続税を事実上カットし、残りの相続税は、現金や預金類を相続した子供がそれぞれ支払う形としたのです。
このような方法で、建物にかかる相続税を含めて納税が可能です。

また、相続人の納税費用を考えながら、建物の相続人を決める方法もあります。
ある事例ですが、やはり建物と現金や預金類が主な遺産となっていた中、建物は主に故人の長男が相続する形としたのです。
その代わり、長男は他の現金や預金類をほとんど相続できなかったのですが、建物にかかる相続税は、自分の貯金から納税できたため、特に困らなかったのですね。

このように建物にかかる相続税は、相続した建物を使って直接納税することが難しいため、誰が、どれだけ相続するかを調整することで、そのあとの納税がスムーズとなります。
高額な建物がいくつもあり、これらにも相当額の税金がかかる場合は、その後の納税のことを含めて分割協議をするのが基本的なポイントになります。